チベット旅行記読み比べ

 Garmisch-Partenkirchenのツークデピシェ登山前後は 明治時代の日本人僧によるチベット旅行記を読んでいた。日本人僧のかかった高山病的な症状を標高2600mで体感。脈が速くなり、頭痛を覚えた。慧海和尚は吐血しまくっていたので、自分のは全然マシ。

10年以上前に読んだハインリヒ・ハラーのSeven years in Tibet とはかなり印象がちがうのは、40年という時代の違いだけではないような。

慧海和尚はチベット人について、怠惰、不潔、計算できない、、等々。人々にチベット行きを反対され、困難を乗り越えて死にかけながら必死でチベット入国&滞在したのに。

ダライ・ラマの選び方についてインチキと匂わせるような記述もある。

 一方、ハインリヒ・ハラーダライ・ラマの神秘性、チベットの人々の素敵なスローライフ、心の豊かさなど美しい思い出を綴りました。ハラーの滞在中に中国軍が攻めてきて、ダライ・ラマとともにインドへ逃げるという結末があるのですが。

 ハラーにとってはチベット=神秘の国 ですが、慧海和尚にとっては、仏教の原点ではあるもののいまや堕落した国(お坊さんの妻帯、肉食あり、など)ということのようです。当時の日本人のアジア蔑視的な視線も感じます。